きつねこの足跡

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ビブリア古書堂の事件手帖3~栞子さんと消えない絆~/三上 延

あらすじ

ビブリア古書堂の店主である栞子さんは、品揃えを改善するため、戸塚の古書会館で行われる市場に店員の大輔と共に出向くことにした。しかし市場では覚えのない本がビブリア古書堂からとして出品されていた。その謎も解かれぬまま彼らのもとにある古書が盗まれたとの連絡が……。

 

 

登場人物

篠川栞子:ビブリア古書堂の店主。古書の知識量が凄まじく、本の話ならいくらでもできるが、一般的な会話は苦手。

五浦大輔:ビブリア古書堂の店員。ある体質から本が読めないが、本についての興味は強い。栞子さんの本の話を聞くのが好き。

坂口しのぶ:坂口昌志の妻でとても明るい性格をしている。かつてある本について問題があった坂口夫妻の謎を栞子さんが解き明かしたことがある。

坂口昌志:妻のしのぶとは違って物静かな性格をしている。若い頃にあることから目のあたりに怪我を負っていて、現在はもうほとんど視力を失っている。

 

感想

この作品では栞子さんと母との関係が大きなテーマになっているからか、親子をテーマとした話が多い様な気もします。古書は受け継がれていくという性質上、継承されやすい例として親子があるのも要因だとは思いますが。

 

今作では坂口しのぶが自分が昔読んでいて好きだった本の名前が思い出せないので手伝ってほしいと栞子さんにお願いするお話がありました。小さな頃読んでいた本なら実家にヒントがあるだろうということで栞子さんと大輔と坂口しのぶの三人はしのぶの実家に向かいます。しかし、しのぶと母との仲は険悪で、第三者である栞子さんや大輔も見ていて気分が良くない程でした。そんな中でも栞子さんは整頓されていたかつてのしのぶの部屋や、勝手に逃げ出したきり帰って来なかったしのぶの飼い犬の小屋などを見て、母親の本当の気持ちに近づいていきます。

 

必ずしも栞子さん母娘との対比ではないとは思うのですが、ある一つの母娘の不器用なあり方としてしのぶと母親が描かれていました。しのぶが昔好きだった本の題名を今になって知りたくなった理由や、しのぶの両親の本当の想い。色々なことが絡まりつつもこれからなんとかやり直していけそうな雰囲気の最後には暖かい気持ちになりました。

 

エピローグでは結構大きな情報もあったので次のお話に期待ですね。

 

一番好きなシーン

エピローグに物凄い情報が投下されていました。栞子さんが我を失っているかの様子で父の遺品の中を探している場面がエピローグのすぐ前に描かれていたのもあって、まさかの急展開に驚かされました。

 

お気に入り度

★★★☆☆

栞子さんと大輔との関係が本当に少しずつですが進展していてよかったです。

 

あとがき

本当に関係ない話ですが、自分が読んできた小説、つい手に取ってしまう小説の作家さんって凄く偏っているんですよね。東野圭吾東直己伊坂幸太郎、三秋縋など……。他にも好きな作家さんは多くいますが、特に東野圭吾の小説ばかり読んできた気がします。作風が好みなので仕方ないのかなとは思うのですが、これからはもっと多くの小説に触れていきたいです。