あらすじ
かつてビブリア古書堂の女店主、栞子さんに危害を加えた青年が今度は依頼者として再び姿を見せた。
そこでもう一つの特別な「晩年」の話が語られる。またしても裏がありそうな依頼と状況の中で、栞子さんと五浦大輔の二人は四十七年前のある事件の真実を追うことになる。
登場人物
五浦大輔:ビブリア古書堂の店員。告白が実り、栞子さんと付き合うことが出来た。
篠川栞子:ビブリア古書堂の店主。五浦大輔と交際を始めた。
田中敏雄:栞子さんの「晩年」を狙って大けがを負わせた人物。ビブリア古書堂に祖父がかつて持っていたというもう一つの異なる「晩年」を探してほしいと依頼する。
感想
栞子さんに大けがを負わせた田中敏雄の依頼で物語は幕を開けます。断ったところで彼が手に入れたい古書を諦めるはずもなくまた被害者を生む可能性があるため、栞子さん達はその晩年の持ち主を先回りして探し出して警告するために依頼を引き受けるふりをします。
その特別な「晩年」を追う中で、栞子さんの祖父と大輔の祖母とその「晩年」との奇妙な繋がりも見えてきて、謎は深まります。
追わなければいけない古書とそれに纏わる事件が起きた年代が、遠い過去の出来事で話を聞ける人物もとても限られる中、二人は事件の真相へと向かっていきました。
第一巻でも大きな役割を持っていた「晩年」に関してのお話であるので、その時点で謎のままだったことも明らかとなっていき、これまでのお話を思い出しながら展開を追いかけることができます。
事件の謎に五浦大輔の祖母の秘密に関する過去や栞子さんの祖父の話など、大輔と栞子さんの二人にとっても無関係とは言い切れない要素も関わっていて、謎を解き明かす中で彼らにとっても新しい発見があったお話でした。
事件だけでなく大輔と栞子さんの関係の進展もしっかり見れて満足です。
一番好きなシーン
大輔と敏雄が対峙する場面で、大輔の覚悟とある秘密を明かします。敏雄との関係の変化が今後の彼らの関わり方にどう変化をもたらすのか楽しみになる良い場面でした。
お気に入り度
★★★☆☆
第一巻の時と同じ晩年を巡るお話で、栞子さんと大輔の祖父母の代の物語にまで遡る展開が面白かったです。
あとがき
なんとなく読書するだけでは勿体ない様な気がして始めたただの読書感想文がこの記事で十本目です！特に目指しているものもないのですが、この先も自分が読書で感動したことを綴っていきたいなと思ってます！
