きつねこの足跡

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ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~/三上 延

あらすじ

鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂で店主をしている栞子さんが古書にまつわる謎を解き明かしていくというストーリーです。五浦大輔が祖母から遺されたある古書を、ビブリア古書堂に鑑定依頼するところから古書の謎に迫っていく二人の物語が始まります。

 

 

登場人物

  • 篠川栞子:ビブリア古書堂の店主でこの物語の探偵役。とても人見知り。
  • 五浦大輔:本のことは好きだけどある体質から読書が出来ない。ひょんなことからビブリア古書堂で働くことになる。背が高く、ガタイもよい、でかい。

 

感想

栞子さんは本以外の話になると初対面の人とはまともに口がきけない程の人見知りです。そんな彼女と五浦さんとのたどたどしい会話はとても微笑ましくて癒されました。ただ、栞子さんは一見おどおどしていて頼りなく見えますが、古書の知識と推理力は凄まじいもので、普通の人ならなんとなく見逃してしまうような手がかりを頼りに、様々な謎を解き明かしていきます。物静かな普段の姿と何でも言い当ててしまう凄さとのギャップがとても魅力的でした。

物語は五浦さんの祖母が残した古書の謎を栞子さんが簡単に解き明かしてしまうところから始まります。体質で本は読めないけど本の内容に興味はある五浦さんと、誰が見ても本の虫で、本の話なら活き活きとできる栞子さんとの何とも言えない関係は読んでいてとても面白かったです。

 

一番好きなシーン(ネタバレ注意)

最終章で五浦さんが栞子さんに信頼されていなかったことに絶望してビブリア古書堂を辞めるシーンがとても好きです。探偵役が逆転していて新鮮味があり楽しめました。その後で栞子さんなりの不器用な仲直りの仕方にも笑えたし、栞子さんが本の話をしてそれを興味深そうに五浦さんが聞いているという関係に戻れたのも最高でした。

 

お気に入り度

★★★★☆

全体的に読みやすくてかつ物語としてとても面白かったです。本が好きな人なら古書の謎解きという時点で興味が惹かれるのではないでしょうか。

 

日記/あとがき

読み始める前は「古書の謎ってなに?」と思っていましたが多くの人々の手を渡り歩いてきた古書には物語が詰まっていて、こんなにもお話を広げていけるものなんだなと素直に関心していました。私は古書について何も知らなかったのですが、興味が湧いてきました。古書店を見かけたら立ち寄ってみようかな。